固定資産税の住宅用地特例
特定空き家(注)に該当し、撤去・修繕などを行うよう指導を受けながらも改善しないときは、勧告を受けることになり、固定資産税などの住宅用地特例から除外されることになります。(2016年分から特例の対象外になります。)
注)特定空き家とは・・・市町村が立ち入り調査をした結果、指導・勧告・命令を受けることとなる空き家が「特定空き家」です。
固定資産税の住宅用地特例は家屋が有れば土地の固定資産税は更地で所有しているよりも最大1/6に優遇されている措置です。
しかし、特定空き家の勧告を受けて住宅用地特例から外れると固定資産税などが最大6倍に跳ね上がってしまう事になります。
なお、所有者が勧告又は命令の内容を実施し、その勧告又は命令が撤回されると固定資産税等の住宅用地特例の要件を満たす家屋の敷地は、再び住宅用地特例が適用されるようになります。
※勧告を受けても改善されないときは、命令が出されて従わない場合は、50万円以下の過料を科せられることになります。
また、市町村は強制的に撤去するなど行政代執行が可能がとなり、その費用は所有者から徴収されます。
詳しいことは、関与税理士等の専門家の方にご相談ください。
特定空家等の敷地にかかる固定資産税等について
今にも崩れそうなゴミ屋敷、猫屋敷、空き家の放火等で近隣住民と大きなトラブルになっている様子をニュースで見たことがある人も多いかと思います。
そこまでとはいかないものの、全国に空き家は820万戸あるといわれており長期間放置されていることから、その管理が不十分のため、火災の発生、建物の倒壊、衛生の悪化、景観の悪化、防犯性の低下等が問題となっていました。
そのため、空家等対策推進法が平成26年11月に成立し施行されており、次に該当する場合が「特定空家等」となります。
イ)そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
ロ)そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
ハ)適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
ニ)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
この場合において、市町村長から指導等を受けても改善がされなかった場合には勧告を受けることになり、税務面では固定資産税及び都市計画税において、小規模住宅用地及び一般住宅用地の特例が受けられなくなります。
ざっくりですが、全て小規模住宅用地に該当していた土地の場合には、固定資産税・都市計画税の合計額は約3.6倍程度に膨れ上がることになります。
820万戸の中には、建物を壊すと固定資産税が高くなるということで空き家として放置しているという方が多いかもしれませんね。
しかし、他人に危害を加えないためにも、自己所有の持ち物を管理する事は当然のことではないかと思いますので、私としてはこの法律は賛成です。
もし、「お金はあるが面倒なので空き家として放置している。」という方がおられましたら、この際、相続対策としても空き家の整理をするなどの方策を取ったほうがいいかもしれません。