地方法人税の(国税)の予定納税
今回創設された「地方法人税(国税)」については平成27年9月期の決算法人の場合、平成27年5月の予定申告をする必要はありません。
予定申告に係る規定については、平成27年10月1日以後に開始する課税事業年度から適用することとされていますので、地方法人税が課されることとなる最初の事業年度については予定申告をする必要がなく、1年決算の法人であれば最も早くて、その次の事業年度から地方法人税の予定申告をする必要があります。
自治体によっては対応が追い付いておらず、納付書に税額が印字されず、計算方法の説明書がつけられているだけのことろもあるようです。
予定納税が必要となる方で、心配な方は自治体に一度ご確認下さい。
地方法人税が創設されました
年末が近づくと、年末調整もあり、所得税が話題の中心になりがちですが、法人に関連する改正もありましたので、簡単にご紹介させていただきます。
『地方法人税』が創設されました。
法人に対する増税なのか??
と思ってしまいますが、税務署などが公表しているものを見ると、そうではないと記載があります。
実際は、どうなのでしょうか?
『地方法人税』は地域間の格差を縮減するために作られた税のようです。
地方ごとに地方税を直接課税せずに、いったん国税として課税し、地方交付税として、地方公共団体に再配分していくものと思われます。
これと同じような理由で、現在施行されているものに『地方法人特別税』という税金があります。
似たような名前でややこしいですね。
違いを少し記載します。
『地方法人特別税』
・・・2008年から施行されています。
法人事業税の一部を移管。
もともと事業税なので、法人税の計算上は損金算入できます。
申告書は事業税の申告書に記載欄があり、都道府県に提出します。
『地方法人税』
・・・今回新設されたものです。
法人住民税の一部を移管。
こちらは、住民税をうつしたこともあり、法人税の計算上は損金不算入になります。
申告書は法人税の申告書に記載欄が作られました。税務署に提出します。
適用時期は、平成26年10月1日以後に開始した事業年度からです。
まだまだ適用する決算は先と思ってしまいがちですが、9月決算の法人が、決算月を変更した場合などは、早い時期から地方法人税が適用になりますので、ご注意ください。
東京都の法人を例に税率を比べてみました。
改正前と改正後の税率に違いがあるかを比較してみます。
※単純な税率比較を行っております。実際税金を計算する場合とは異なる点がありますので、申告される際は、税務署や税理士にご相談ください。
(例)
本店:東京都の特別区
外形標準課税:対象外
年間の所得が400万円以下
軽減税率を適用(標準税率)
【平成26年9月30日までに開始した事業年度分】
法人税 15.0%
法人事業税 2.7%
地方法人特別税 2.187%(事業税の81%)
法人都民税 2.595%(法人税の17.3%)
合計 22.482%
【平成26年10月1日以降に開始した事業年度分】
法人税 15.0%
地方法人税 0.66%(法人税の4.4%)
法人事業税 3.4%
地方法人特別税 1.468%(事業税の43.2%)
法人都民税 1.935%(法人税の12.9%)
合計 22.463%
比較してみますと、法人都民税が17.3%→12.9%に4.4%減額され地方法人税に移っていることがわかります。
また、地方法人特別税が減額され、減額された部分が事業税に戻っているようです。
合計の税率は、公表されている通り、増加せず、既存の税率と同程度となりました。
税制改正が多く、複雑になっておりますが、必要のない附帯税(罰金のようなもの)を取られないよう正しい申告を心がけましょう。