iDeCoの概要と所得控除
厚生労働省はこのたび、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo、イデコ)の加入者数が、今年8月末時点で100万9,766人となり、100万人を突破したことを公表しました。
iDeCoは、平成13年に施行された確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。
名称がiDeCoに決定したのは、委員の1人であった元テニスプレイヤーの杉山愛さんが「かわいい!!」と言ったからとの噂です。
iDeCoは、加入は任意で、自分で申し込み、自分で掛金を拠出し、自らが運用方法を選び、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受けることができます。
掛金は自分で選んで拠出できますが、お勤めの状況により上限額が変わります。
その額は、個人事業主68,000円/月、主婦23,000円/月、会社員(企業年金なし)23,000円/月、会社員(企業年金あり)12,000円/月、公務員12,000円/月となっています。
将来貰える年金が少ない人ほどたくさん掛けることができることとなっており「自分達で何とかしてください。そのかわり税制面では優遇します」ということですね。
また、iDeCoには運用の失敗リスクの少ない商品が並んでいます。どうしても投資が嫌いな人は預金という選択もあります。こちらを選択すれば、毎月定期預金を積み立てているだけで税金が安くなるということも可能です。
あと、iDeCoにはドルコスト平均法の効果があります。詳しい説明は割愛しますが、株価の値下がりも享受できる効果があります。
iDeCoの掛金は全額所得控除で、運用益も非課税です。
さらに、受取方法は年金または一時金で選択することが可能で、年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象となります。
また、今年5月からは、企業年金を実施していない中小企業(従業員数100人以下)において、iDeCoに加入している従業員の加入者掛金に対し、事業主が掛金を上乗せして拠出することができる「中小事業主掛金納付制度」がスタートし、今年8月には、その愛称が「iDeCo+」(イデコプラス)に決定されました。
デメリットとしては、60歳までは原則引き出せないということと、口座開設の審査が厳しく時間がかかり面倒くさいということがあげられます。細かい記載ミスでも審査が通らず書類が返ってくることや、事業主が記載しないといけない部分もあることから、煩わしさのため口座開設を断念した方も少なくはないことでしょう。
ネットで簡単に申込みが出来るようになれば、iDeCoの利用者数も爆発的に増えると思うのですが、その辺りの改革を国は進めるべきでしょうね。
・2018年11月14日 公開