法人住民税の均等割の改正H27.4以降
=改正点(一)「資本金+資本準備金」との比較=
従来、法人住民税の均等割は、事業年度末日時点の「資本金等の額」を基に判定されていました。
今回の改正で、上記「資本金等の額」と「資本金+資本準備金」とを比較し、いずれか多い金額を基に判定することとなりました。
「資本金等の額」が「資本金+資本準備金」を下回るような取引の代表例としては、自己株式の取得が挙げられます。
近年では、上場企業等の多くが市場取引により自己株式を取得しています。
また、中小法人でも自己株式を取得することはありますが、その際にはみなし配当の額を除いた部分が資本金等の額の減少額となります。
よって、この改正により法人住民税の均等割が増加するケースが多くなると予想されます。
=改正点(二)無償増減資の場合の調整=
(1)加算
平成22年4月1日以後に利益準備金又はその他剰余金による無償増資を行った場合には、その増資額を「資本金等の額」に加算することとなります。
(2)減算
下記のような欠損の填補を行った場合には、欠損の填補に充てた金額を「資本金等の額」から控除することとなります。
1.平成13年4月1日から平成18年4月30日の減資(金銭等を交付したものを除く)による欠損の填補を行った場合及び資本準備金による欠損の填補を行った場合。
2.平成18年5月1日以後に剰余金による損失の填補を行った場合。
これは、資本金又は資本準備金を減少し、その他資本剰余金として計上してから1年以内に損失の填補に充てた金額に限る。
また、組織再編により生じた資本剰余金を損失の填補に充てた場合は除く。
この欠損填補のための無償減資の場合には、法人住民税の均等割が減少するケースがあると予想されます。
なお、この加減算措置が適用される法人については、その増減資の事実を証明するため、申告書に株主総会議事録等の添付が必要となります。
また、持分会社については加減算措置の適用がありません。
改正点(二)は、平成13年4月1日以後の過去の無償増減資等による欠損填補・損失填補が対象となるため、過去に行っていないかを確認して下さい。
・2016年7月10日 公開